しんごろう
しんごろうは南会津町と下郷町に伝わる郷土料理の一つで、うるち米を半つきにして団子状にしたものを竹串にさし、甘めの味噌にじゅうねん(エゴマ)を混ぜ合わせたじゅうねん味噌を塗り、炭火で焼いたものです。
秋の収穫期に豊作の喜びと感謝、そして苦労をねぎらうために作られ、隣近所や親戚が集まる場でふるまわれました。
しんごろうの名の由来
この食べ物をなぜ「しんごろう」というかは諸説あります。代表的な説が、昔しんごろうという百姓が住んでおり、大変貧しく、秋の祭りやお供えに使うもち米もなかった。そこでありあわせのうるち米を炊き、餅のようにつぶして丸め、たまたま家にあったじゅうねん味噌をつけて食べたところ大変美味であった。やがて地域に広がり、その名を取って「しんごろう」と呼ばれるようになったというものです。
この説の真意は定かではありませんが、南会津地方は寒冷地であり、水田も規模が小さく、もち米の確保は容易ではありませんでした。そこでくず米などを加工して餅の代わりとしていたようです。
更新日:2023年03月15日